なんとなく親しみやすくて可愛い名前な割に、理解すべきことが沢山あってわかりづらい。
だから日々のの忙しさ徐々に押されて優先順位が下がっていく、というのはある意味仕方のないリアクションかも知れません。
NISAは聞き飽きた!の原因
- NISAのシステムそのものが分からない
- ①がわかったとして、どの銘柄に投資すべきか分からない
- ①・②をクリアしたとして、実際に行動に移すのが面倒
「得だとしてどのくらい得なの?」
この記事が他の記事と少し違うのは、結果から考えてNISAを運用してみた時にどうなるのか?という点。
そこからNISAの運用銘柄や、NISAの基本的な制度などにさかのぼって考えてみるという形式で進んでいきます。
では進んでいきましょう。
※NISAに特化した記事ですのでiDeCoについては言及しません。
長年投資したときに得られる複利利益
後ほど詳しく説明しますが、NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があります。
どちらを利用するかは双方を理解した上で決定しなければならないのですが、プロセスが若干違えど、ゴールは一緒です。それはつまり、
- NISAという制度を利用し
- 投資先を選び
- 長い時間をかけて増やす
投資というと株価の価格差を利用して売買を繰り返すイメージがつきものですが、NISAを使った投資は「長期・分散・積立」が基本的な考え方になり、1年後にはお金持ちになっているという話とは対極にあります。
コツコツ進めていくことが重要で、ここで理解しておかなければならないのは「複利」の考えです。
下の一覧は、100万円を3%、500万円を5%で10・20・30年、単利・複利で運用したケースです。(差額は複利と単利の金額差です)
100万円のとき
年数 | 単利 | 複利 | 差額 |
---|---|---|---|
10年 | 1,300,000円 | 1,343,916円 | 43,916円 |
20年 | 1,600,000円 | 1,806,111円 | 206,111円 |
30年 | 1,900,000円 | 2,427,262円 | 527,262円 |
500万円のとき
年数 | 単利 | 複利 | 差額 |
---|---|---|---|
10年 | 7,500,000 | 8,144,473円 | 644,473円 |
20年 | 10,000,000円 | 13,266,489円 | 3,266,489円 |
30年 | 12,500,000円 | 21,609,712円 | 9,109,712円 |
元本をなるべく多くするのももちろん重要な要素です。しかしそれよりも注目すべきは、投資期間をなるべく長くすること。
同じ金額でもより多く増やすためには、最も重要な要素と言い切っていいでしょう。
早く始めるに越したことはなく時間をかければかけるほど、金額を膨らますのに有利に働くことをまずは理解しましょう。
投資で利益を得た時にかかる税金
NISAでできる減税ってどんなもの?
NISAを使わなかった場合、と使った場合の「納税額」にフォーカスして考えてみましょう。
NISAを使わなかった場合
上の表を使いながら説明していきます。
わかりやすく
30年 100万円 → 単利1,900,000円・ 複利2,427,262円を利用します(複利を切り上げて250万円とします)。
100万円を30年複利運用して250万円になったとすると、利益は250万円−100万円=150万円となります。
この150万円から20%が引かれると、30万円が税金として国に納められ、手元に残るのは元本の100万円と利益の120万円の合計220万円となります。
NISAを使った場合
これがNISAを使うとどうなるでしょうか?
一般NISA、つみたてNISA共に、減税になる額の上限があるものの(詳しくは後述します)、上記の例の範囲内であれば非課税となります。
つまり、手元に残るのは150万円利益そのままと元本の100万円、合わせて250万円になります。
これがNISA最大の特徴です。
将来の資産不安を和らげる仕組みです
最近話題の年金不足の問題を「自助努力」で解決するために欧米から似たシステムを輸入した形になります。
考えて見れば、稼いだお金に対して税金を納めることを義務としている国が、それを免除するのですからこれはすごいことです。
もちろん、節税できる額が大きければ大きいほど得をする仕組みであることは言うまでもありません。
投資銘柄には何がある?
ここで株を買うなんてギャンブルみたいで嫌だ!貯金が無難でいい。と思われる方もいるかも知れません。
確かに、株を買うという行為にはギャンブル性が介在しますし、リスクの高いものも多くあります。
しかしNISAで買うことのできる金融商品については、国のお墨付きの優良商品に限定されており、その分安心して買うことができます。
逆に言うと
短期間でお金持ちになれるほどハイリスク・ハイリターンな商品はないけども、「コツコツ地道に続けられるのであれば、将来的に大きくリターンを得られるものが多い」ということです。
国が危ない株を勧めるわけにはいきませんからね。
実在する銘柄の良い例を1つ挙げます。
eMAXIS Slimシリーズ(先進国インデックスファンド日本除く)
このシリーズは大手証券会社であるSBI証券や楽天証券などで購入することができます。
つまり、日経平均であれば日本上場企業の株式の平均、ニューヨークダウであればアメリカの上場企業の株式の平均を目指して運用するというものです。
更に「先進国」と付いていますので、アメリカ(67%)・イギリス(7%)・フランス(4%)・カナダ(4%)・ドイツ(4%)といった具合に、先進国の市場平均に投資する=先進国の今後の発展に投資する金融商品だ、という意味合いになります。
なぜ日本が入ってないの?
悲しいことに日本のここ20~30年の経済状況がよくないため、パフォーマンスが高く人気のあるこの商品はあえて日本を除いているのです。
もちろん、日本込みの先進国インデックスファンドもありますので興味のある方は探してみてください。
eMAXIS Slimシリーズ(先進国インデックスファンド日本除く)の直近の年間利回りは4.7%以上です。
もちろん先進国の経済状況によって上下することがありますが、これくらいのパフォーマンスは決してみ珍しい水準ではなく、長年に渡って継続する可能性も十分にあります。
これはほんの一例ですが、NISAで投資できる商品の中には
- 全世界の経済動向に連動するもの
- アメリカの経済動向に連動するもの
これらをNISAの制度を利用しつつ買うのです。そして資産運用持つ複利の力×節税効果を利用するわけです。
NISA・つみたてNISAの違い・制度説明
ここでいよいよNISAの制度の説明をしましょう。
まずは一般NISAからです。
一般NISAの特徴は
- 年間120万円が上限投資可能枠
- 得られた利益は非課税
- MAX5年間でMAX600万円の非課税期間がある
- 上場株式、投資信託、ETFなどに自由に投資が可能
一方のつみたてNISAは
- 年間40万円が上限投資可能枠
- 得られた利益は非課税
- MAX20年間でMAX800万円の非課税期間がある
- 投資信託に自動積立機能を利用して投資
一般NISAの上限が年間120万円と比較的高めに設定されている代りに非課税期間は5年と短く、逆につみたてNISAは年間40万円のみの枠となりますが20年間と長期間続けることを前提としています。
制度 | 非課税期間 | 上限 |
---|---|---|
NISA | 5年 | 120万円 |
つみたてNISA | 20年 | 40万円 |
両者は併用ができず、どちらか1つを選ぶ必要があります。
また、出金は両者共いつでも可能ですから試しに少しやってみることも可能です。
以前からあった一般NISAに加えて、つみたてNISAが開始されたのは2018年1月のこと。
長期でコツコツ進められる設計となっており、加入者が増加傾向にあります。
年利4.7%シュミレーション比較
ではここで、先ほど例に挙げたeMAXIS Slimシリーズ(先進国インデックスファンド日本除く)を用いてNISAの枠を最大限使用した場合のシュミレーションをしてみます。
一般NISAの場合
月10万円を5年間毎月積み立てたと仮定
元本6,000,000円 → 6,748,808円 利益748,808円
つみたてNISAの場合
月33,333円を20年間毎月積み立てたと仮定
元本8,000,000円 → 13,236,340円 利益5,236,340円
節税の効果も納得できるでしょう。
始めるなら早いほうが良い
この記事で最も伝えたいのは、「時間をかけて投資すること」と「節税メリットを理解すること」の2つです。
NISAのメリットはそれに尽きると言っていいでしょう。
楽天証券やSBI証券などは、ネット上でNISA口座口座を簡単に開くことができます。
銀行口座ではお金を増やすことのできない現代です。
特につみたては早く開始しておいたほうが貯まる額も大きいので、お得感も大きく感じると思います。